超短編小説 トモコとマリコ

超短編小説を中心とした短い読み物を発表しています。

2021-07-29から1日間の記事一覧

空気入れ

夏の朝、近所に住むおじいさんが空気入れを持って歩いていた。「どこ行くのー?」「おお、ちょっと入道雲をなぁ」

仏壇の母の遺影の頬が赤い。今居間には化粧品の若いセールスマンがいる。今度はあの人か。まぁ、若いから逃げられるだろう。