わざとらしい笑い声が響く団地の片隅で母親がテレビのボリュームを上げた 雲の上でパパが歯磨きしてるという娘のつぶやきをかき消すように
らぶゆーと彼女は囁き私の小指を飲み込んだ。 部屋の外では年老いた見張り番が古い映画の夢を見ている。
今日が終わり、今日がまた来る。 ふと見上げた夜空には満月がいくつもいくつも浮かんでまるで葡萄の房のようだ。 また少し狭くなったベッドの中で私が私の指に指を絡ませてくる。 また少し明るくなった月明かりから逃れるように私が私の手から毛布を奪う。
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