ドラッグストアに行ったら、新発売の消臭剤が売られていて、ボトルには「戦争後のにおいに」と書かれていた。だから私は隣国に戦争を仕掛けた。我が国と隣国の戦力の差は明らかだった。つまり、我が国が圧倒的に弱かった。我が国は攻め込まれ、あらゆる土地が戦場と化し、その戦場はやがて焦土と化し、同時に多くの兵士や民間人が死んだ。我が国は戦争に負けた。血と火薬の臭いが、風に乗って、国中に立ちこめた。そこで私は、満を持して、新発売の消臭剤を使った。爽やかな香りが広がり、血と火薬の臭いを塗りつぶし、目を閉じれば、そこがさっきまで戦場だったことはわからなくなった。上出来だ。ただ、私は、目を閉じなければならないことが不満だった。戦争のにおいは消えても、死体や瓦礫はそこにある。私は再びドラッグストアを訪れた。何か、そういう、目薬がないか探しに行ったのだ。私は、我が国の技術力を信頼していた。