何となく寝付けないので、隣で寝ている女の顔を眺めていたら、ふいに女の腹の辺りに掛かっている布団の下で、何かがもぞもぞと動いた。
不審に思って布団をめくると、女の腹の上を、積荷を背負った馬と商人らしき男が歩いていた。
馬と商人は女の体の上をゆっくりと歩いていき、やがてその大きな乳房の間に潜り込んで、そのまま見えなくなった。
布団を掛け直し、頭を振り、台所に行き、顔を洗い、深呼吸をして寝室のドアを開けると、女が苦しそうな声を上げている。
慌てて電気を点けると、女の枕が真っ赤に汚れており、女の鼻の穴に、先ほどの商人と馬の死体が突っ込まれていた。