超短編小説 トモコとマリコ

超短編小説を中心とした短い読み物を発表しています。

決心

 初めて彼女とホテルに行った。
 シャワーを浴びて僕の前に立った彼女は、右のわき腹に蝶つがいが取り付けられていた。
 「背中にはあまり触らないでね」
 そう言って彼女は僕をベッドに押し倒した。
 僕は曖昧に頷き、彼女の胸に顔を埋めた。
 ノックの音のような心臓の鼓動が頭の奥に響いていた。