深夜、残業帰り、コンビニで、ちょっと高いお金を出して、青空の端っこを買った。自分への誕生日プレゼントだった。今日が自分の誕生日だということもさっき思い出したのだが。家に帰って、煙草のヤニで汚れた天井の真ん中に、青空の端っこを広げた。少し部屋がさわやかになった。ちちち。小鳥が横切った。ふいに、幼稚園の時に行ったハイキングを思い出した。あの時、はしゃいで遊んでいたら、頭に小鳥のフンが落ちてきて泣いてしまったんだっけ。あの時ハンカチで頭を拭いてくれたあの子は、今何をしているのだろう。寂しくなって、煙草に火をつけた。煙が青空に吸い込まれていった。小鳥の声が聞こえなくなった。いかんいかん。煙草をもみ消して眠りについた。翌朝、小鳥のフンが頭に落ちてきて目が覚めた。あの子の夢を見ていた。