超短編小説 トモコとマリコ

超短編小説を中心とした短い読み物を発表しています。

紙吹雪

 朝目覚めたら、全身紙吹雪まみれだった。夢の中で誰かを刺し殺したことだけは覚えている。果たしていいことだったのか悪いことだったのか。紙吹雪をはたき落とし、見えない返り血を洗面台で洗い落とす私を、窓の外から鳥が見ていた。