超短編小説 トモコとマリコ

超短編小説を中心とした短い読み物を発表しています。

 犬の散歩をしながら夜道を歩いていたら、星が一つ落ちてきて、俺の脳天に穴を開けた。星は脳天から喉を経て腹の中へ落ちて、パチパチ弾けながら消えてしまった。脳天に開いた穴をどうしようか、医者に行って塞いでもらった方がいいのだろうか、と考えたが、脳天の穴へ差し込む月や街灯のあかりが鼻の穴から漏れているのが妙に綺麗で、飼い犬もとても喜んでくれているので、塞ぐのはとりあえずやめにした。冬はすーすーするけど我慢している。