病院を出たらタクシー乗り場に死神がいて、タクシーを待っていた。お仕事帰りですか、と話しかけると死神は、ええ今日は一人、と答えた。ふと死神の手元を見るとビー玉のようなものをいじっていた。あっそれってもしかして人の魂とかですか。俺が興奮して尋ねると死神は、いえビー玉ですよ小児病棟の廊下に落ちてたんです、と答えた。そして、何でこれが人間の魂だと思ったんですか、と訊いてきた。俺が、綺麗だったもんで、と答えると死神は、人の魂が綺麗だと思っているんですか、とさらに訊いてきた。そこへタクシーが来た。死神は俺に会釈をしてタクシーに乗り込み去っていった。俺は恥ずかしさで死にそうだった。