超短編小説 トモコとマリコ

超短編小説を中心とした短い読み物を発表しています。

 彼女の腕にとまり、その血を吸っていた蚊の腹が、どんどん膨らんでいき、膨らんでいき、膨らんでいき、とうとう破裂して死んでしまった。「いつもこうなのよ」彼女は笑い、ナイフでちょっと手首を切ると、「あなたもどう?」溢れる血を私に差し出した。