超短編小説 トモコとマリコ

超短編小説を中心とした短い読み物を発表しています。

ささやき

 祖父が一人で寝ている部屋から夜中、話し声が聞こえてきたので、そっと襖を開けて中を覗くと、死んだはずの祖母が祖父の耳元で「持っていきますね、持っていきますからね」とささやいていて、次の朝、祖父は冷たくなっていた。