超短編小説 トモコとマリコ

超短編小説を中心とした短い読み物を発表しています。

 公園のベンチに座ろうとしたら、でかい蛾みたいなものが落ちていた。うわっ、とよく見ると、それは蛾ではなく、まっぷたつに裂かれたハートだった。ああ、誰かがこのベンチで失恋したらしい。蛾みたいだななどと思ってしまって申し訳なかったな、と反省しつつ、裂かれたハートをつまみ上げ、草むらに捨てた。指先に、苦いにおいが残った。