冬、雪の日の午後、公園で、子どもたちが雪だるまを作って遊んでいる。やがて夕方のチャイムが町内のスピーカーから流れる頃、公園の隅に、子どもたちが作った雪だるまたちが並ぶ。大小も顔かたちもさまざまな雪だるまたちである。子どもたちがそれを眺めて達成感に浸っていると、公園に住むホームレスの爺さんが近寄ってくる。子どもたちは身構える。ホームレスは一番大きな雪だるまを指さして、子どもたちに尋ねる。こいつの最終学歴は。子どもたちは顔を見合わせる。こいつの最終学歴は何だ。ホームレスは再び尋ねる。その雪だるまを作った少年が答える。学校には行ってないよ。何っ。雪だるまだもん。雪だるまは学校に行かなくていいのか。当たり前だよ。ホームレスは絶句した後、地面の雪を拾い上げ、自身の体にまとわせ始める。