ある年、小学生の男の子が夏休みの自由研究で、悪人を食べる植物を造った。その植物のお陰で、男の子の住む市からは悪人がいなくなった。その植物の花はとても綺麗で、それにとても良い匂いがした。しかも悪人を食べてくれるのだ。男の子の植物は隣の市へ、その隣の市へと種が分けられ、やがて国中で栽培されることになった。栽培が進むうち、その植物は悪人の中でも、特に極悪人を食べると、とてもジューシィで美味しい実をつけることがわかった。その国の死刑は全てその植物によって行われることになった。死刑執行日には果実を求める人々が処刑場に列をなした。男の子はその後、校内の自由研究コンテストで銀賞を獲った。