超短編小説 トモコとマリコ

超短編小説を中心とした短い読み物を発表しています。

揺れ

 午後の私鉄に、頭の上に焦げた木の球を載せた老人が乗っていて、どんなに電車が揺れてもその木の球は頭から落ちる気配がなく、むしろそれを落とそうとしているかのように、電車はいつもより激しく揺れている