超短編小説 トモコとマリコ

超短編小説を中心とした短い読み物を発表しています。

2023-02-23から1日間の記事一覧

その木は伐られた後も、影だけが地面に残って成長し続けている

揺れ

午後の私鉄に、頭の上に焦げた木の球を載せた老人が乗っていて、どんなに電車が揺れてもその木の球は頭から落ちる気配がなく、むしろそれを落とそうとしているかのように、電車はいつもより激しく揺れている

戦争

蟻たちの戦争が終わって、私は泣きながら、庭にそっと砂糖を撒いた