超短編小説 トモコとマリコ

超短編小説を中心とした短い読み物を発表しています。

補助輪

 ある日空からカラカラ、という音が聞こえてきたので頭上を見上げると、補助輪を付けた小さな雲が、大きな雲たちを必死に追いかけているところだった。必死なところがかわいらしかった。末は入道雲か雨雲か。風よ、あんまり吹きすぎてやるなよ。