超短編小説 トモコとマリコ

超短編小説を中心とした短い読み物を発表しています。

 家の裏にある川を眺めていたら、目玉を一つ載せた笹舟が流れていった。次の日、同じように川を眺めていたら、細い指を一本載せた笹舟が流れていった。その次の日、笹舟には昨日より少し太い指が載っていた。爪が綺麗だった。どんな人なのか少しわかったような気がした。明日は鼻か唇が流れてこないかな。そうすればもっとどんな人なのかがわかるのにな。