超短編小説 トモコとマリコ

超短編小説を中心とした短い読み物を発表しています。

ぴょん

 朝、鏡を覗くと、頭のてっぺんから髪の毛が一本、ぴょんと飛び出していた。かっこ悪かったので抜いてしまおうと思い、ぐいっと引っ張ってみて気づいた。それは髪の毛ではなく、ほつれた糸だった。面倒くさがらずに、ハサミで切ればよかったなぁ。どうしよう、ほどけた、これ。