この前、学生時代の友人に、街で偶然再会した。
色とりどりのペンキで汚れた軽トラの荷台に腰かけ、空を眺めて缶コーヒーを飲んでいた。
学校を出てからずっとふらふらしていた奴だが、ようやく仕事を見つけたらしい。
「今何してるんだ?」と尋ねると彼は、
「おせっかいみたいなもんだよ」と答えた。
そんなことを思い出していたら、いつの間にか雨が止んでいた。
窓の外には虹が架かっていた。
少しいびつな形の虹だった。
そういえば、美術の成績はいつも「1」だった奴である。
彼に電話をかけてみたが、電波の届かない場所にいるとのことだった。