超短編小説 トモコとマリコ

超短編小説を中心とした短い読み物を発表しています。

酔いと呪い

 そいつが死んだ時、一番の下っ端だった俺の耳の穴の中に、そいつの死体を埋めることになった。
 アル中だったそいつは、死体になっても酒瓶を握りしめて離さなかったので、仕方なくそのまま埋めたのだが、それ以来寝返りをうつたびに、瓶に残った酒が俺の頭の中にちょろちょろと流れてくる。
 俺がいつも酔っているのはそのせいなんだ。
 あの馬鹿。