超短編小説 トモコとマリコ

超短編小説を中心とした短い読み物を発表しています。

大きな猿

 夜中、息苦しさで目が覚めると、大きな猿が、ぼくの首を絞めていた。払いのけても足で蹴っても猿は動じない。やがてぼくは意識を失った。翌朝、いつもの時間に目が覚めた。昨夜のは夢かと思い父に話すと、「ああ、お前ももうすぐ声変わりするんだね」と父は笑った。