超短編小説 トモコとマリコ

超短編小説を中心とした短い読み物を発表しています。

なら

 冬、夜の道。死んで冷たくなっている捨て子を抱きかかえ、「捨てるなら俺にくれ……捨てるなら俺にくれ……」と老婆が泣いている。