超短編小説 トモコとマリコ

超短編小説を中心とした短い読み物を発表しています。

 いつも夜中まで両親がぶつぶつと何か話し合っている声が聞こえてくるのには慣れていたのだが、その日は受験勉強でイライラしていて、一言うるさいと言ってやろうと、両親の寝室の扉を開けると、中には両親の声を延々と再生するレコードとプレーヤーが置かれているだけで、ベッド一つ無かった。