超短編小説 トモコとマリコ

超短編小説を中心とした短い読み物を発表しています。

日記(頭痛)

××月×日

 彼女に別れ話を切り出したら、「最後に一晩だけ一緒にいてくれ」と言われた。言われた通り彼女の部屋で特に何もせず一晩一緒に過ごし、翌朝目覚めて自宅へ帰る途中、彼女との思い出を頭に浮かべようとした瞬間、これまでに経験したことのないくらいひどい頭痛に襲われた。これを書いている今も、彼女のことを思い出すと頭が痛くなる。明日、医者に行こうと思う。

××月××日

 医者に行くと、念のためレントゲンを撮ることになった。頭蓋骨の内側一面に、彼女と撮ったプリクラがびっしり貼られていた。

 よりを戻すことにした。