超短編小説 トモコとマリコ

超短編小説を中心とした短い読み物を発表しています。

ハリウッド

 夜中、眩しい光で目が覚めた。一人暮らしの部屋の天井に、テレビの光がちらついている。
 不審者かもしれない。音を立てないように身を起こし、テレビのある方へ目をこらすと、窓際に置かれているはずの鉢植えのサボテンがテレビの前で、西部劇の荒野をじっと見つめていた。