私が灰にした実家の、灰になった仏間で、灰になった母が、灰になった精神安定剤を飲もうとしているが、手も薬も喉も、風に吹かれてぼろぼろと崩れていく。
友人が誰もいないクラスメートがいつも持ち歩いている、表紙に「ともだち」と書かれたノートから、蛆虫がぽろぽろ落ちてくる。
自転車を漕いでいるおじさんとすれ違った瞬間、その自転車のかごの中に入っているラジカセから、僕の笑い声が流れていることに気づく。
引用をストックしました
引用するにはまずログインしてください
引用をストックできませんでした。再度お試しください
限定公開記事のため引用できません。