超短編小説 トモコとマリコ

超短編小説を中心とした短い読み物を発表しています。

2022-02-04から1日間の記事一覧

「ばいばい、またね」彼女と話した後、受話器を置こうとすると、受話器の穴から、一輪の花が咲いていることに気づいた。摘み取って、花瓶に挿す。白い、華奢な、彼女のような花だ。

器具

えー、明日は身体測定がありますので、えー、まぁ、ずるをする子はうちのクラスにはいないとは思いますが、今配った器具で、えー、背中の翼を固定して、測定を受けるように。え?ああ、大丈夫大丈夫、器具の重さは体重から引くから。

××氏は彼の管理する文字畑を私に見せてくれた。そこには「愛」の字と「夢」の字が沢山育っていた。「商売ですから」彼は照れ臭そうに言った。「こういうのも」彼は文字畑の外れにぽつんとある一角を指さし「あるにはあるんですよ」そこには「国」の字がわず…