超短編小説 トモコとマリコ

超短編小説を中心とした短い読み物を発表しています。

 ××氏は彼の管理する文字畑を私に見せてくれた。そこには「愛」の字と「夢」の字が沢山育っていた。「商売ですから」彼は照れ臭そうに言った。「こういうのも」彼は文字畑の外れにぽつんとある一角を指さし「あるにはあるんですよ」そこには「国」の字がわずかに実っていた。