超短編小説 トモコとマリコ

超短編小説を中心とした短い読み物を発表しています。

虫かご

 終電に、頭部が蜘蛛のサラリーマンが、背中を丸めて座っていて、時々、手元の虫かごを見て、ため息をついている。遠目にも、その虫かごの中に、ばたばたもがく蝶が何匹も入っているのがわかった。