超短編小説 トモコとマリコ

超短編小説を中心とした短い読み物を発表しています。

 母が夕飯をテーブルに並べると電話がかかってくる。出ると知らない男。「いただきます」それだけ言って電話は切れる。何十年も前から続く現象だ。ぼけた祖父は声の主を見たことがあると言っている。それを見たから祖父はぼけたのかもしれないと叔父は言う。