超短編小説 トモコとマリコ

超短編小説を中心とした短い読み物を発表しています。

握手

 我が家に犬がやってきた。捨て犬を拾ってきたのだ。「名前を決めなきゃ」はしゃぐぼくらを見ていた祖父が立ち上がり、「これからよろしく」と犬に手を差し出すと、犬の口の中からたくましい手首がにゅっと出てきて、祖父と固い握手を交わした。