超短編小説 トモコとマリコ

超短編小説を中心とした短い読み物を発表しています。

人形

 亡くなったおばあちゃんの形見としてもらった人形は、どんな場所に置いておいても、満月の夜になると必ず姿を消し、翌朝、新鮮な花の香りを漂わせながら、元の場所に戻っている。