超短編小説 トモコとマリコ

超短編小説を中心とした短い読み物を発表しています。

風呂

 夕方、家事をしていたら「先、風呂入るよー」と声がしたので反射的に「はーい」と答えたのだが、よく考えるとまだ家族は誰も帰っていない。誰が言ったのだろう。声のした方を探すと、水平線の向こうへ夕日が沈んでいくところだった。「ああー」気持ちよさそうな声が水平線の向こうから。ぴかぴかになって、また明日。