超短編小説 トモコとマリコ

超短編小説を中心とした短い読み物を発表しています。

おしゃれ泥棒

 夜空を見ていたら、突然巨大な耳たぶが現れ、三日月をぶら下げて消えてしまった。
 テレビを点けると、地球の裏側では、やはり巨大な耳たぶとともに、太陽が消えてしまったらしい。
 地球中に漂うきつい香水の匂いを嗅ぎながら、今日も私たちは空っぽの空を見つめ、誰かのデートが終わるのを待っている。