超短編小説 トモコとマリコ

超短編小説を中心とした短い読み物を発表しています。

目覚め

 朝、ゴミ捨て場の前を通りかかると、一匹の野良犬が、捨てられた雑誌をむさぼり食っていた。
 宇宙の謎を特集した子ども向けの科学雑誌だった。
 夜、公園の前を通りかかると、ジャングルジムのてっぺんに今朝の野良犬がいて、じっと夜空を見つめていた。
 そっとしておくことにした。