超短編小説 トモコとマリコ

超短編小説を中心とした短い読み物を発表しています。

2023-11-18から1日間の記事一覧

「蝿が寄ってきたらごめんね」と言って、脳味噌剥き出しの彼女は、春の公園のベンチ、ぼくの膝枕で寝始めた。

給料

最後の給料日に貰った給料袋の中に、部長が背中の翼から抜いた羽根が一本入っていた。

ネジ

僕らがネジを一本盗んだから、もう雨上がりに虹が架かることはないだろう。

死んだふり

真夜中の病院の廊下の真ん中で、死んだふりをする看護師を、病室のドアの隙間から、病人たちが眺めて、くすくす笑っている。

プリン

今日も家に帰ると、冷蔵庫の中に、プリンの写真が冷えていました。