超短編小説 トモコとマリコ

超短編小説を中心とした短い読み物を発表しています。

2023-10-29から1日間の記事一覧

墓地

電車に乗っている時、電車が墓地の横を通りすぎるたび、「墓地だね」と車内アナウンスが流れる。

月を作る工場に勤めていた外国人労働者たちが、パトカーの中から夜空を見上げている。

床屋で髪を洗ってもらっている時、うつむいた顔の下を流れるお湯が赤いことに気づき、悲鳴を漏らすと、店主が「まだまだ赤くなるよ」と耳元に囁いてくる。