超短編小説 トモコとマリコ

超短編小説を中心とした短い読み物を発表しています。

2022-12-06から1日間の記事一覧

寒い冬の日の朝礼で、みんなが白い息を吐く中、私が吐く息だけ、青いことに気づく。

おみくじ

夜中の神社で、缶ビール片手に真っ赤な顔のおじさんが、木に結ばれているおみくじを次々と解き、凶と大凶を次々とポケットに入れつつ、「俺に任せろぉ……」とつぶやいている。

秘密基地

神様に見つからないようこっそり作った密造月が、ぼくらの秘密基地の天井に浮かんで、ほのかに光っている。