超短編小説 トモコとマリコ

超短編小説を中心とした短い読み物を発表しています。

2022-11-26から1日間の記事一覧

薬屋

「これ、お前に似てるねぇ」薬屋を営む祖母が、妖精の死骸をベランダに干していた時、手に取った妖精を見て、そんなことを言うので、嬉しいような、嫌な気持ちのような。

デート

火葬場デートの成否は焼かれてる人の質によるのよ。

学校帰りに寄った公園の木でおばさんが首を吊っていて、びっくりして大人を呼びに行こうと駆け出したら、誰かとぶつかる。それは今そこで首を吊っていたおばさんで、おばさんは「君は何も見なかった」と言って、ぼくに飴をくれた。