超短編小説 トモコとマリコ

超短編小説を中心とした短い読み物を発表しています。

2022-10-15から1日間の記事一覧

鼻毛

鏡を見たら鼻毛が飛び出ていたので抜こうとしてよく見ると、その鼻毛の先が首吊り縄の形に編まれている。

道端の、段ボール箱の中に捨てられていた、まだ動いている真っ赤な心臓に、「ごめんなぁ、ごめんなぁ」と泣きながら、駆け寄っていく男。男の胸には、ぽっかりと穴。