超短編小説 トモコとマリコ

超短編小説を中心とした短い読み物を発表しています。

2021-02-11から1日間の記事一覧

心臓

十字路の真ん中に心臓が落ちていたので、つま先で軽く蹴ると、トクン、と一度だけ鼓動して、その直後、「ウゴォォォォォ」と何かの声が辺りに響いた。目覚めさせてしまったのか、とどめをさしてしまったのか。

手品

「信じられない」といった表情で自らの手や足を見つめる人々を引き連れて、手品師が墓場から出てくる。