祖父の畑で採れるトマトは、影まで赤い。
くしゃみを我慢した瞬間、鼻の穴の中から、舌打ちが聞こえた。
今日もその少年の幽霊は駄菓子屋の店先で、子どもたちが食べるアイスの棒を覗き込み、当たりが出たかどうか確かめている。
結局使わなかった遺書で紙飛行機を折って飛ばしたら、急旋回して俺の胸にぶつかって落ちた。
あの猿のことはもう忘れて、と俺を抱きしめた妻から、ふわっ、とバナナの香りがする。
明け方のゴミ収集所でゴミ見酒を楽しんでいたら、余興に、カラスが舞を舞ってくれた。
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