超短編小説 トモコとマリコ

超短編小説を中心とした短い読み物を発表しています。

網戸

 ある夏の夜、何かの音で目が覚めると、隣で寝ていたはずの女房の姿がなく、網戸にとまった女房と同じ目をした蝉が、「抱ケ抱ケ抱ケ抱ケ」と鳴いている。