超短編小説 トモコとマリコ

超短編小説を中心とした短い読み物を発表しています。

少女

 少女を誘拐する。少女は人と蝶とのハーフである。私は少女の為に花の蜜を集めて瓶に詰め、「食え」と差し出す。「何もわかってないのね」少女は薄ら笑いを浮かべる。少女は窓辺の造花に口づけ、無知な私を静かに責める。私と少女は同じ布団で寝る。朝、シーツに鱗粉が付いている。