超短編小説 トモコとマリコ

超短編小説を中心とした短い読み物を発表しています。

アゲハチョウ

 今年もまた、誕生日の朝、カーテンを開けると、ベランダの床に、私の歳と同じ数のアゲハチョウの死骸がぱらぱらと撒かれていた。物心ついた時からずっとこうだ。チリトリを持ってきて掃除する。一羽一羽頭がちぎられているから、たぶん誰か人間がやっていることなんだろう。おばあちゃんになる頃には、きっと掃除が大変だなぁ。