超短編小説 トモコとマリコ

超短編小説を中心とした短い読み物を発表しています。

喧嘩

 実家の母から電話があった。「お父さんと喧嘩しちゃってね……それでね……それでね……あんたにね……」泣きじゃくっていて話が先へ進まない。ピンポーン。インターフォンが鳴った。「ちょっと待ってて、誰か来たから」電話を置いて玄関へ行く。そこにいたのは宅配業者。段ボールを受け取り、貼られている伝票を見ると、品名の欄に「父」。