超短編小説 トモコとマリコ

超短編小説を中心とした短い読み物を発表しています。

カーテン

 授業中、××君が、「保健室に行く」と言って教室を出ていった。
 しかし、放課後になっても××君は戻ってこなかった。

 部活に行くために外に出たら、校庭の隅に人だかりが出来ていた。
 見ると、××君が土を食べていた。

 次の日も、××君はまだ土を食べていた。
 結局、卒業まで××君は土を食べていた。

 あれから三十年経つ。
 この前、地元の友達に聞いたら、まだ食べているらしい。

 ふーん。