2012-09-06 ヒーローと母 マリコからきいた話 彼は正義のヒーローである。 彼は今日、港に現れた怪人とその眷属50人を叩きのめした。 夕方秘密基地に戻り、書類をまとめ、正義の博士の判をもらい、タイムカードを押し、ロッカー室で普段着に着替えたあと、地元のスーパーに赴き、万引きで捕まった母を迎えに行った。 「魚肉ソーセージ盗ったらしいぞ」 と正義の博士は笑いながら言った。 「お父さんが好きだったから」 「お墓に持ってってあげようと思って」 帰りの電車で母がぽつりと言った。