超短編小説 トモコとマリコ

超短編小説を中心とした短い読み物を発表しています。

2024-04-24から1日間の記事一覧

羽音

親戚たちの羽音も遠ざかり、墓地には羽のない私だけが残された。

役人

悲しみの標準値を決める役人が、自身の母親の葬儀会場で、参列者に何かを訊いて回っている。

夜空を見上げると、昨夜まで月があった場所に、札束が浮いている。